「藍(あお)って、やっぱりおいしかったんじゃ」
自分たちがまかないでこの麺を食べ続けていたのです。
それは、決して食通とはいえない、うちの社員が驚いたようにぽつんとつぶやいたのです。
それどころか、私もまったく同じ言葉が出そうになりました。
ここで思い当たることがありました。わたしが若い頃の話ですが、自信を持ってつくった太めの乾めん(極太)が大量に売れ残ってしまったことがありました。ほんとうにおいしいものは売れると思っていたのですが、なじみのない商品は最初のハードルが高いことに気付き、この在庫をばらして売ることにしたのです。あちこちの催事販売に出かけてようやく売り切ることができました。
売り切ったあとで、「ねえちゃん、あの太いそうめんに慣れてみたら、あれでないと物足らなくなってしまった」と言われたのです。結局、美辞麗句を並べてうんちくを羅列するよりも、食べていただくことに尽きるのです。
人手が慢性的に足りない当社では、売らんかなの発信はできません。
「こういうのを探していた」というお客様にお届けするために、その価格にも根拠を込めて、食べていただく機会をじっと待つことにしたのです。発信しないけれど、食べていただけるとうれしいです、という姿勢の商品が生まれました。末永く愛される製品となればうれしいです。とても。
半田手延めん藍(あお)、召し上がっていただけましたか?
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※半田手延めん「藍(あお)」は、半田そうめん食堂で食べていただけます。
(淳)